安倍晋三がまさにDishonest Abeと呼ばれるにふさわしい訳:プーチンが知ったら激怒する問題

安倍晋三がまさにDishonest Abeと呼ばれるにふさわしい訳:プーチンが知ったら激怒する問題

日本対外文化協会主催の第170回研究会で、堀合辰夫弁護士が行った「長崎のロシア「領土」」という講演について紹介したいと思います。わたし自身、まったく知らない話でしたが、日本政府の怠慢ぶりがよくわかる内容です。長くつづく怠慢なので、安倍晋三首相だけが悪いわけではありません。それでも、最長政権を誇っている以上、その責任は大です。Dishonest Abeとずっと呼んできたかれの不誠実が良くわかる事例ですから、より多くの人々に知ってほしいと思います。

 

宙ぶらりんな長崎の土地

問題の長崎の土地はグラバー邸に隣接する640坪ほどの土地です。そもそもあったのは「家屋台帳」で、「南山手待ちイ十九番、所有者が露国領事館」です。登記はなく、原爆投下後の混乱で、朝鮮人が一部を不法占拠する事態になります。その後、まったく権限のない不動産業者が売却をもちかけ、30数人の不法占拠が明らかになります。

問題の土地は1987年10月19日付で未登記であった「露国領事館」を「ソ連邦」に換えて登記されます。不法占拠問題は裁判などを通じて解決されました。問題は、ソ連邦崩壊後、この土地の所有権についてはソ連邦の後継国であるロシア連邦に帰属することが裁判所で解決済みですが、登記所では未解決な状態にあることです。つまり、問題の土地の名義変更の登録を日本政府は認めていないのです。

そればかりではありません。東京の狸穴にあるロシア連邦大使館の名義変更登録も認められていません。大阪の総領事館も同じです。

堀合弁護士はつぎのようにのべています。

「東京で、外交財産でない旧ソ連邦名義の建物について、ロシア連邦名義にする申請がなされました。日本の法務省法務局は、受付受理はしましたが、長期間に亘って登記記載もせず登記申請の却下もしませんでした。登記申請者に対しては、申し訳ないが問題が多いので、何卒、取り下げて下さい、法務局長にそんな決断を迫らないでください、ということで強力に取り下げを要請、勧告して店晒ししているというのが現状です。今の狸穴の大使館は大林組が建てた大工事だったのですが、残念ながら耐震構造工事が済んでいません。9年前の大震災のような直下型地震が東京で発生した場合、大使館の方には申し訳ないですが、大使館が耐震構造に欠けて犠牲者が出たことを想定しますと、早々に日本の法務局がロシア連邦の名前に書き換えて、耐震構造の工事が円滑にできるようにしてやるべきなのにしなかったことについて、やはり国の責任が発生することを法律家として真剣に心配しています。」

 

ウクライナを気遣う日本政府

なにゆえにこんなバカな状態にあるかというと、例によって日本の外務省の優柔不断によるのです。ソ連邦対外債務・資産の権利継承処理条約によって、ソ連邦の対外資産はすべてロシア連邦が承継することになっています。ただ、ウクライナは批准していないので、同条約の効力が完全には発効していない、というのがウクライナおよび日本政府(外務省・法務省)の見解ということになっています。ただし、土地所有権についてはすでに「政府承認」というかたちでロシア連邦所有であることは決着しています。にもかかわらず、登記の変更を認めないのです。

その結果、耐震構造工事ができないという事態が放置されています。この些末な問題は実は、北方領土問題にも多少なりとも関係しています。日本の法務省は北方4島の相続登記だけは認め、所有権売買による移転登記は受け付けないという、姑息な手段をとっています。日本からみて、ロシアに占領されている北方領土問題が未解決であることを理由に移転登記はすべきでないと考えているわけです。さすがに相続登記を認めなくなると、土地の所有権の所属がわからなくなってしまうので相続登記だけは認めているわけです。日本の「小役人」はくだらない問題を針小棒大に考えて仕事をしているように思い込んでいるようです。

北方領土問題では、所有権そのものが未解決である以上、登記の部分で姑息な手段をとっていでも、それは理解できます。しかし、所有権の決着をみている東京や長崎などの登記所の名義変更を認めないというのはまったく理解できません。

堀合弁護士によれば、国内裁判に持ち込んで解決することができるが、一刻も早く問題を解決するためには政治決着が望ましいということです。こんな些細なことで、ロシア人の人命を蔑ろにしている日本国政府の「いやがらせ」をプーチンが知れば激怒するでしょう。口では「ウラジーミル」とプーチンを呼ぶ安倍ですが、その安倍がこんないやがらせをさせているとすれば、プーチンが激怒するのも当然でしょう。一刻もこんなバカげた事態は解決すべきでしょう。

 

森も茂木もDishonest

森まさこ法務大臣も茂木敏充外務大臣もDishonestであることは間違いありません。とくに、森は「口頭決裁」なる「嘘」を平然と国会の場でのべたうえに、検察官の「逃亡」という驚くべき発言をしています。後者の発言は実は「真実」を語っているように思えますが、いずれにしてもDishonest Abeのもとでかれらが忠誠を誓っているのは安倍だけです。

こんな状況にあるので、この問題に進展があるとは期待できませんが、それでも国会の場で追及してほしいと思います。

わたし自身は仙谷由人死去以降、仲良くしている政治家はいません。仙谷とは30年ほどの付き合いがありましたが、いまではそんな政治家はいません。というわけで、まともな政治家がいれば、この問題くらい即刻解決してほしいと思います。なにしろ、人命がかかっているのですから。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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