日本のマスメディアによる情報操作:あきれるばかりの親アメリカ報道

日本のマスメディアはダメだ。情報操作に明け暮れている。たしかに、反プーチンの急先鋒だったアレクセイ・ナヴァーリヌィ(47歳)が2月16日、ヤマロ・ネネツ自治管区の流刑地で散歩中に死亡したのは残念な出来事だ。その遠因には、ウラジーミル・プーチンがいることは間違いない。

だが、その後の日本のマスメディアの報道は明らかにおかしい。なぜかといえば、プーチンの極悪非道というイメージはすでに定着しており、彼の死について報道を繰り返すことにあまり意味があるとは思えないからだ。

この問題を報道すること自体を否定はしない。ただ、もっともっと重要なニュースがあるはずだと強調したいのだ。

 

三度目のアメリカの拒否権行使

大切なのは、アメリカが2月20日、ガザ地区での即時停戦を求める国連安全保障理事会決議に反対票を投じたことである。ワシントンが拒否権を行使してガザでの戦闘停止を要求する決議を阻止したのはこれで3度目である。アメリカのジョー・バイデン大統領は決議に反対することで、イスラエルによるガザ地区での過剰防衛を赦しつづけているのだ。これは、3万人に近づきつつあるパレスチナ人犠牲者の多くがバイデンおよび彼の支援するベンヤミン・ネタニヤフイスラエル首相によってもたらされた、ともいえなくもない。はっきりいえば、バイデンもネタニヤフもプーチン並みの「殺人鬼」と表現することができる。

アルジェリアが起草したこの決議案に賛成したのは安全保障理事会の13カ国で、英国は棄権した。反対したのはアメリカだけである。「いい加減にしろ、バイデン」と、日本のマスメディアはなぜ報道しないのだろうか。

 

イスラエルのやっていることは「アパルトヘイト」と同じ

印象的なのは、2024年2月20日付のNYTが「南アフリカ、パレスチナ人に対するイスラエルの政策を「アパルトヘイト」と呼ぶ」という記事を公表していることである。南アフリカは2月20日、国連の国際司法裁判所での審理で、イスラエルのパレスチナ人に対する政策を「アパルトヘイト(人種隔離政策)の極端な形態」と呼び、最終的なパレスチナ国家のために求められている領土の占領は「基本的に違法」であると主張したのだ。

南アフリカのヴシ・マドンセラ駐オランダ大使は、パレスチナ人は「差別的な土地区画整理や計画政策、懲罰的な家屋取り壊し、村や町や都市への暴力的な侵入を受け続けている」と指摘した。マドンセラは、裁判制度、土地区画の規則、道路、パレスチナ人の住居の権利などが別々であることを挙げ、イスラエルは「パレスチナ人の権利を否定」する一方で、ユダヤ人入植者に利益をもたらす「法律、規則、サービスの2層システム」を導入しているとのべた。「私の考えでは、これはアパルトヘイトだ。耐えられない」という言葉は重い。加えて、「私の国で黒人に対して制度化されたアパルトヘイトが、さらに極端な形で行われている」とマドンセラは語った。そのひどさがわかるだろう。

 

日本のマスメディアはバカばかり

ナヴァ―リヌイの死も重要だが、どうみても、パレスチナの人々の苦難・苦渋をしっかりと報道することのほうがずっと重要だろう。善人ズラで、イスラエルを支援しつづけているバイデン大統領の本性を暴くことは、世界全体の置かれている「現実」について理解するために必要不可欠なのだ。

そんなこともできないまま、「殺人鬼」バイデンを批判できない日本のマスメディアはおかしい。「バカばかり」と慨嘆せざるをえない。

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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