ウクライナは負けた!:炭鉱を失い、粗鋼生産は大打撃

もうすぐ「現代ビジネス」で公表される記事がある。そこで書いたのは、ウクライナが圧倒的に不利な状況に陥ったということだ。

不思議なことに、例によって、この重大ニュースを「ニューヨーク・タイムズ」も「ワシントン・ポスト」も、もちろん、朝日新聞も日経も報じていない。要するに、不勉強なのであり、親米報道に偏っているために、怖くて報道できないのだろう。

 

ポクロフスク近郊の炭鉱の占領

何があったかというと、ポクロフスク近郊にあるコークス用石炭鉱山(ペスチャノエ)がロシア軍の手に落ちたのだ。このニュースは、私のもっとも信頼するロシア人ジャーリスト、ユーリヤ・ラティニナの記事に基づいている。2024年12月26日に「ノーヴァヤ・ガゼータ・ヨーロッパ」で公表した記事だ。

かねてから、ポクロフスク市がウクライナにとってきわめて重要な都市であることはThe Economistが報道していた。そうであるならば、ロシア軍がどこまでこの都市およびその近郊にある炭鉱を占領できるかどうかに関心をもつのは当然だ。

しかし、残念ながら、欧米諸国や日本の主要マスメディアには、ラティニナの報道に気づいた者がだれ一人としていないらしい。本当に、バカばかりなのだ。

12月27日付の「ストラナ―・ウクライナ」によれば、ロシア軍は「ポクロフスクまであと2キロほどしかない」という。都市の占領には時間がかかるだろうが、もうウクライナがこの都市を失うのは時間の問題であり、すでにペスチャノエが占領されたことで、同地の鉄鋼業が大打撃を受けるのも確実だ。それによって、ウクライナにとって輸出の柱の一つである粗鋼の生産量が半分以下になるとみられている。

 

いい加減にしろ、「似非専門家」

ついでに、12月27日にブルームバーグが「ウクライナ軍はロシアのクルスク地方で占領した領土の約半分を失い、数カ月のうちに残りの領土も失う可能性があると、米国当局者は述べた」と報じている。

奇襲攻撃によって、広大な領土を占領したウクライナだが、その侵略地を和平交渉の取引材料にすることは難しそうだ。

ついでに紹介すると、26日、ウラジーミル・プーチンは記者会見で、ウクライナは最近、5~7基のATACMSシステムを使用したが、ロシアは長距離精密兵器による221回の攻撃で対応したという。どうやら、ウクライナ軍はATACMSをあまり保有していないらしい。長距離攻撃をしたくてもできないのだ。

つまり、軍事専門家がこれまで行ってきた予想がことごとくはずれていることが明らかになったことになる。防衛研究所の研究員にいたっては、「税金泥棒」と呼んでもいいだろう。根拠のない駄弁をテレビで吐くことで、日本国民をだましにだましてきたのである。

 

脱走兵は20万人?

ラティニナは記事のなかで、AP通信を紹介しながら、ウクライナ側の脱走兵の多さを紹介している。AP通信が11月29日に伝えたところによると、ウクライナ検察当局からの情報として、「2022年2月のロシアの侵攻以来、10万人以上の兵士がウクライナの脱走罪で起訴されている」。検察および軍は無断欠勤兵士を起訴せず、兵士たちに復帰するよう説得できない場合にのみ起訴するというから、実際の脱走兵は10万人以上であることは確実だ。 しかも、「逃亡兵の一部は復帰するが、またすぐに去っていく」という。AP通信は、脱走兵数が「20万人に上る可能性がある」との推定を紹介している。

こんな状況にありながら、戦争を終結させようとしないウォロディミル・ゼレンスキー大統領の悪辣さをなぜ報道しないのだろうか。

ラティニナは決してロシア贔屓ではない。「ロシアは独裁国家だ」と正々堂々と書くジャーナリストである。その彼女は、「ゼレンスキー政権下のウクライナは破綻国家(failed state)と化した」と厳しく批判している。

要するに、ゼレンスキーは戦争を停止すると、戒厳令を止め、選挙をやらざるをえなくなり、選挙に負ける公算が大きいのである。ゆえに、自分の権力のために、国民に犠牲を強いているのだ。

私はゼレンスキーの化けの皮、本性を最初から知っていた。ゆえに、彼のことはプーチン並みの「悪人」とみなしてきた。どうか、バカなマスメディア報道にだまされないでほしい。

 

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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