拝啓 鈴木宗男様 超党派で講演会をやりませんか:ウクライナ戦争から1年
拝啓 鈴木宗男様。かつてモスクワで名刺交換をさせていただいたことのある塩原と申します。私が朝日新聞モスクワ特派員をしていたころの話ですから、1995~1998年の間のことであったと記憶します。
今回、このようなかたちで鈴木さんに公開書簡を書こうと思ったのは、ウクライナ戦争をめぐるあまりにひどい報道によって、この戦争の本質が歪められてしまっているからです。この想いを鈴木さんも共有していると考え、手紙を書くことにしたのです。
仙谷由人の死
本当は、仙谷由人さんが存命であれば、彼に頼んでいたであろうことがあります。超党派の議員に対して、私が話をする場を設けてほしいというものです。
彼は、私がよく知る唯一の政治家でした。1990年ころからの知り合いです。彼がまだ議員になる前からの友人です。おそらく1年間に20回くらいは合っていたでしょうか。それも、エーザイの専務だった武市匡豊さんの自宅でです。武市さんの息子と仙谷さんが同級生で同じマンションに住んでいた関係で、私が「夜回り」で武市宅に立ち寄ると、仙谷さんがやってきて3人でよく話をしました。
「信託銀行も損失補填」と、私がAERAに書いたとき、その極秘資料を仙谷さん、菅直人、そしてもう一人の政治家に渡し、国会で質問してもらったこともあります。仙谷さんの議員会館事務所でのことでした。そういえば、秘書の來さんのことも思い出しました。
ウクライナ報道ではわからないウクライナ問題
さて、ウクライナ問題です。鈴木さんも感じられているように、いまの日本のマスメディア報道は歪んでいます。おそらく対米追随圧力が強烈で、それが新聞・テレビの報道を偏向させていると思います。
そこで、ウクライナ問題の本質について私に話をさせてほしいのです。その理由は簡単です。日本において、私以上にウクライナ問題を語れる人間はいないからです(自分でこんなことを臆面もなく書けるほど「事実」であると考えています)。その理由は、ウクライナ研究の成果としての本の数です。あるいは、その内容でしょうか。
『ウクライナ・ゲート:「ネオコン」の情報操作と野望』、『ウクライナ2.0:地政学・通貨・ロビイスト』、『プーチン3.0 殺戮と破壊の衝動:ウクライナ戦争はなぜ勃発したか』、『ウクライナ3.0:米国・NATOの代理戦争の裏側』、『復讐としてのウクライナ戦争 戦争の政治哲学:それぞれの正義と復讐・報復・制裁』という5冊はすべてウクライナ問題を取り扱ったものです。2023年4月には、家伝社から『ウクライナ戦争をどうみるか:情報リテラシーの視点で』が上梓されます。
最近では、「独立言論フォーラム」において、「ノルドストリームを爆破させたのはバイデン大統領!?:ウクライナ戦争がいかに歪んだ戦争であるかを知ってほしい」、「ゼレンスキー政権の腐敗実態:日本政府は支援物資の横流しをチェックせよ」、「制裁をめぐる補論:『復讐としてのウクライナ戦争』で書き足りなかったこと〈上〉」、「制裁をめぐる補論:『復讐としてのウクライナ戦争』で書き足りなかったこと〈下〉」といった論考を発表しています。
これらの考察の質については、まったく心配される必要はありません。かつてマーシャル・ゴールドマンハーバード大学教授が書いたPetrostate(Oxford University Press, 2008)のなかで紹介された者として、あるいは、ロシア科学アカデミー・中央数理経済研究所が中心となって刊行している学術誌『現代ロシアの経済学』の編集委員を一橋大学経済研究所の西村可明先生の後任として務めていた者として、海外から一定の評価を受けてきたと、私は考えています。ほかに海外で認められているのは、北海道大学の田畑伸一郎くらいでしょうか。その意味で、私が書くウクライナ分析は最初から世界水準において書いています。妬む嫉みに満ちた日本の学者が私の本をどう評価しようと、「悔しければ、大御所ゴールドマンに認められるくらいの存在になってから評価してもらいたい」と言い返すだけです。
鈴木さんのフットワークに期待
かつて会ったことのある菅直人にこの話をしても、迅速に対応してもらえそうもありません。彼に比べると、鈴木さんであれば、迅速に対応していただけると期待しています。その昔、モスクワの「さくら」というレストランで東郷和彦(当時外務省の局長あたりかな)さん、西村陽一モスクワ特派員、私の3人で夕食をとっていた際、東郷さんから鈴木さんの心遣いや迅速な活動ぶりを教えてもらいました。
というわけで、鈴木さんにお願いすれば、迅速に対応していただけるものと期待しています。
公開書簡というかたちをとったのは、あくまで超党派の議員にウクライナ問題の本質を話したいと思っているからです。
この文面が鈴木さんのもとに届くかどうかはわかりませんが、この書簡を読んだ方が鈴木さんに教えていただければ、1週間くらいのうちには鈴木さんの手元に届くのではないかと期待しています。
もしこの書簡に共感していただけましたら、「システム・ブレーン」の私の紹介サイト(https://www.sbrain.co.jp/keyperson/K-19202.htm)にアクセスしてみてください。係りの者が細かい打合せをしてくれると思います。
敬具
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