マヌケな枝野幸男:立憲民主党よ、もっと真正面から「デジタル化」を議論しろ

2020年9月19日夜、共同通信は「デジタル化は「後ろ向き」と批判 枝野氏、政権との違いアピール」といったニュースを配信したようです。そのなかで、枝野幸男立憲民主党代表は、立民は次期衆院選で「自然エネルギー立国」を政策の柱に据えるとして「首相は取って付けたようにデジタル化なんて言いだした。この国は後ろ向きのデジタルではなく、前向きの自然エネルギーで食っていこう」と訴えたのだそうです。20日朝に配信された時事通信社の報道によれば、19日にスタートした全国行脚において、「新政権が掲げるデジタル化の推進について「世界的に遅れているところを追い付こうという話だ」と皮肉った」と伝えています。

 

論理のすり替え

しかし、この枝野の論理は単なるすり替えにすぎません。世界的にみて、まったく遅れてしまっている日本のデジタル化について、追いつこうとすることのどこが悪いのでしょうか。デジタル化の遅れを取り戻すことと、自然エネルギー重視とは直接には関係ありません。どちらも大切なのです。にもかかわらず、追いつくほうはダメで、最先端を走れるかもしれないほうだけが許されているというのは、何とも狭量な話ですね。

枝野だけがマヌケなのか、立憲民主党のブレーンを含めた全体がマヌケなのか、わかりませんが、こんなバカげたことを党の代表者が公然と話すこと自体、大いに批判されなければなりません。

安倍晋三について、わたしは「論座」で何度も「マヌケ」だと批判してきました。「封建時代を思わせる「キカイ」音痴で「マヌケ」な安倍政権:このままでは日本全体が沈没しかねない」(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020032200003.html)や「テクノロジーの重要性に気づいてこなかった「マヌケ」な安倍政権:「アポカリプス」後の世界を読み解く」(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020051100006.html)をぜひとも読んでほしいと思います。

今度は、枝野をマヌケとはっきりと非難する必要があるようです。

 

「菅政権によるデジタル・ガバメントは失敗する!?

わたしは、「論座」に「菅政権によるデジタル・ガバメントは失敗する!?:政府をオープンなものにする発想に欠けた安倍政権を継承するのか」(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020091600006.html)という記事を公開しました。枝野はこの記事を読んだのでしょうか。あるいは、立憲民主党のブレーンや議員は読んだのでしょうか。余談ですが、『日刊ゲンダイ』や『週刊文春』の記者はわたしの記事を楽しみに愛読してくれています。だれが優れた論考を書いているかくらい、きちんと評価できる人物であってほしいと心から願っています。

わたしは、この記事のなかで、日本政府が「オープン・ガバメント・パートナーシップ」(OGP)にいまだに加盟していない点を厳しく批判し、「オープン・ガバメントなくしてデジタル・ガバメントなし」と主張しています。つまり、菅政権の推進しようとしている「デジタル化」には多くの課題があります。そうした問題を一つ一つ取り上げて改善を求めるのが何よりも大切なのではないでしょうか。

OGPで言えば、OGPが創設されたのは2012年だが、そのころの首相は野田佳彦でした。その意味では、OGP創設当初から、日本がこれにかかわれなかったのは野田政権の失敗だったと考えられます。その点をはっきりと認めたうえで、その後つづいた安倍晋三政権においても、まったく「オープン・ガバメント」に見向きもしてこなかった現実を厳しく批判すればいいのです。

もし野田をかばって、OGPへの非加盟を非難しないのであれば、それは立憲民主党の化けの皮をさらすことになるでしょう。

 

デジタル化と安全保障

そのうち、「論座」で紹介したいと考えているのは、デジタル化と安全保障の問題です。実は、デジタル化の問題はデジタル化に伴う安全保障問題と直結しています。その意味では、「サイバー戦略」および「サイバーセキュリティ」の問題と切り離すことはできません。そうであるならば、菅政権による「デジタル化」推進は安全保障問題と深くかかわっています。しかしながら、防衛省の「デジタル化」における役割が議論されることはほとんどありません。こうした問題に対して、スポットライトを当て、菅政権の問題点をあぶり出すことも立憲民主党の重要な役割ではないでしょうか。

にもかかわらず、枝野は、デジタル化が「後ろ向き」と切り捨てることで、この問題と真正面から向き合うことを拒否しているようにみえます。わたしに言わせれば、「枝野はマヌケであり、バカそのもの」ということになります。

 

もっと勉強しろ

わたしは新聞記者時代、東京大学法学部を卒業してから10年、20年を経た人物にたくさん会ってきました。司法試験合格後、20年、30年を経過した人にも会ってきました。しかし、そのなかで自分がバカであることをよく自覚し、よく勉強しているとわたしが感じることができた人物は皆無です。確かに、以前には学力はあったかもしれませんが、それは昔の話であって、人間は毎日、ブラッシュアップしなければ錆びついてしまいます。その意味で、枝野はマヌケであり、バカですね。もっとよく学び、わたしが書く「論座」くらいにはしっかりと目を通し、その内容について熟読玩味するくらいでなければならいのではないでしょうか。

とくに、イデオロギーに染まったり、利害に流れたりする学者やジャーナリストが多いなかで、わたしのように単独者として孤高を保つことを矜持とする者は少ないと思います。右でも左でも、ダメなものはダメと批判できる者であるからこそ、痛いところを適格に撃つことができるのですよ。

まあ、安倍にはまったく期待していませんでしたが、枝野には少しは期待するところがあるので、あえて厳しく注文をつけておきたいと思います。

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塩原 俊彦

(21世紀龍馬会代表)

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